基 本 計 画

2.活力の中から魅力ある瀬棚をめざす

(1)地域の特性を生かした産業の振興をすすめる

@農業の振興
 食料の安定供給という重要な使命をもっている農業は、輸入の自由化や生産調整など取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。
 このような中で、当町の持つ自然条件や地域の資源を生かした付加価値の高い、そして生産性の高い農業を広め、経営の安定と向上を図る必要があり、限られた耕作面積を有効に活用した収益の高い作物の生産に向け、農協を中心に新たな取組みが求められています。
 特に、近年の消費者の食べ物の安全に対する高まりから、安全で質の良い農作物などの安定した生産を進め、後継者の育成や新規就農者・研修生の受入などを積極的に取り入れ、家畜のふん尿処理など環境衛生に配慮し、環境と調和したクリーンな農業を目指します。
 

[主な取組み]
1.西大里農免農道の整備
2.生産基盤の整備
3.情報交流事業の実施
4.担い手の育成
5.生産性の高い農業への取り組み
6.質の高い酪農業への取組み
7.農畜産加工品の開発
8.農畜産物の販売促進と流通開発
9.土づくりへの取組み
10.有機農業への取り組み
11.地域産業との連携

A林業の振興
 森林は、災害の防止と水資源の保全など多くの役割を持っています。特に、森林の持つ栄養分と海との関わりは大きく、地域産業の振興にも影響するということの理解を深め、造林事業を積極的に進めながら、健康・レクリェーション・観光・教育などと連携した森林づくりを進めます。
 

[主な取り組み]
1.茂津多林道の整備
2.生活環境保全林の整備
3.茂津多地区の森林環境整備
4.造林事業の実施
5.植樹の実施

B水産業の振興
 水産業は、漁獲規制・輸入の増大・水産物の安値傾向や近海漁業資源の減少、高齢化など取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。
 近年の獲る漁業から、つくり育て売る漁業への転換を積極的に進め、漁業生産の拡大と経営の安定を図る必要があります。
 限りある水産資源を守り育て、生産の中心となる港湾や漁港の整備を行い、ひやま漁業協同組合の充実と広域事業による施設整備や販路を広め、後継者の育成と漁村の生活環境を整備し、活気のある浜づくりに取り組みます。
 

[主な取り組み]
1.漁港の整備
2.増養殖事業への取組み
3.製氷貯氷施設の整備
4.増養殖用作業保管施設の整備
5.水産加工処理施設の整備
6.水産加工品の開発
7.水産物の販売促進と流通開発
8.担い手の育成
9.地域産業との連携

C鉱工業の振興
 当町の工業の多くは、小規模事業所であり、長引く不況の影響を受け出荷額は減少傾向にあります。また、鉱業は公共事業が抑えられ、砂利など骨材の販売も振るわなく、また、採掘の際の自然環境への配慮も求められております。
 このような中で、既存鉱工業の育成強化と振興を図るとともに、企業誘致については大変困難な時代が続いておりますが、瀬棚港や北海道縦貫自動車道などを生かし、町内資源を活用した若者などの定住につながる、新たな地域企業づくりを進めます。
 

[主な取組み]
1.技術習得など中小企業の支援
2.進出企業の支援
3.起業の支援

D商業の振興
 当町の商業は、経営規模の小さい個人商店が大半を占め、販売額は年々減少の傾向にあります。その要因として大型店の近隣町進出による購買力の流出や高齢化による消極的な経営などが考えられ、また、平成5年の北海道南西沖地震や平成9年の国道229号第2白糸トンネル崩落事故といった自然災害が相次ぎ、商業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。
 後継者が育つ環境をつくり、商工会を中心に消費者の声に応えたサービスを心掛け、個性的で魅力ある商店街づくりを進めます。
 

[主な取組み]
1.魅力ある商業経営の取り組み
2.融資制度の充実と活用
3.商店街の環境整備
4.設備等改修の支援
5.担い手の育成

E観光の振興
 当町の観光は、豊かな自然を活用した自然に親しむ観光が中心であり、気象状況に左右される傾向にあります。
 その中で、当町の観光振興において致命的なそして歴史的な出来事として平成5年の北海道南西沖地震、平成9年の国道229号第2白糸トンネル崩落事故と度重なる自然災害が当地域を襲い、大きく影響を受けました。
 宿泊客の少ない通過型の観光から一年を通して宿泊客の多い観光を進めるため、海や山での様々な体験を取り入れ、特色あるイベントの開催、そして観光に対する町民のもてなす心を育てながら、特に、農業・漁業と連携した瀬棚産の新鮮な食べ物の提供や歴史を生かした、ふれあい型の観光を目指します。
 

[主な取り組み]
1.交流滞在型の通年観光への取り組み
2.魅力あるイベントの開催
3.青少年旅行村の整備
4.立象山公園の整備
5.三本杉岩ライトアップの改修
6.観光客の誘致宣伝
7.地域産業や歴史との連携


(2)港湾を生かしたまちをつくる

@瀬棚港の整備(マリンタウンプロジェクトの推進)
 瀬棚港は、昭和28年に地方港湾の指定を受け、港湾整備計画等により整備が進められ、昭和61年には運輸省よりマリンタウンプロジェクトの指定を受け、新しい港づくりが進んでいます。
 これまで、港湾と国道を結ぶ臨港道路や一条通り線の整備をはじめ、船舶の大型化などに対応するための岸壁などの整備や港の中を穏やかな海にするため、防波堤の整備などが進められ、また、多くの人々が港を訪れ、港に親しむ交流とレクリェーションの場として、漁火公園などの整備も行われています。
 港湾は、物や人などの交流の場として地域振興に果たす役割は大きいことから、今後も引き続き整備し、海のまちづくりを進めます。
 

[主な取組み]
1.防波堤の整備延長
2.岸壁の整備
3.漁火公園など環境整備

A瀬棚港の活用
 現在は、漁船の利用や漁業者の養殖事業、奥尻島とのフェリーの運行、そして工事用の砂利などの積み出しなどに利用されています。
 特に、水産業は、より安定した漁業生産を求め、防波堤内の穏やかな海を活用し、ウニやアワビなどの増養殖事業に取り組んでいます。
 奥尻島とのフェリー航路は、島民の生活に欠かせない大事な航路であり、また、観光や物資の輸送においても重要なことから、フェリーの大型化や通年の運行が求められております。
 瀬棚港は、ニシン漁で栄えた時代から海とともに歩んできた瀬棚町にとって、切り離すことのできない地域を支える柱であり、今後の積極的な活用として、広い視野に立ち地域産業がもつ様々な物流の可能性を探るとともに、人々が親しみを感じ、生活に根づいた賑わいと活気のある港づくりを目指します。
 

[主な取組み]
1.地域産業と連携した物流拠点としての活用
2.増養殖事業の活用
3.フェリーの大型化と通年運行の要請
4.フェリーターミナルの整備
5.交流拠点としての活用




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