ハンフォード市成人派遣事業から感じたこと
瀬棚町教育委員会社会教育係長  増 田 和 彦

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 「瀬棚からハンフォードへ 姉妹都市を訪問しませんか?」このキャッチコピーどおりに、ハンフォード訪問を希望した皆さんと一緒にこの事業に参加できたことは私にとって「心に残る思い出」以上の衝撃でした。自分の持つ漠然としたアメリカ合衆国に対するイメージ、これまでにハンフォード市を訪問した経験のある方からの情報、ハンフォード姉妹都市委員会からの情報、そして訪問する上で調べたことなど、いろいろなイメージを膨らませながら、アメリカ合衆国、そしてハンフォード市を訪れてきました。

 その印象を一言で言うならズバリ「百聞は一見にしかず」でしょう。 ハンフォードでホームステイ、と聞くとまず頭に思い浮かぶのは「英会話」だと思います。中学、高校と6年間も学んだはずの英語ですが、残念なことに私には殆ど英語力はありません。

 しかし、伝えたい、理解したいという気持ちがあれば、なんとか意思の疎通はできるものだと自分自身はっきりと感じましたし、訪問団の皆さんもそうだったのではないかと思います。


  テレビのCNNニュースやハリウッド映画では何を言っているかさっぱり分かりませんが、顔をつき合わせて話すなら、ゆっくり、繰り返し、身振り手振りを交え、時にはお互いのカバンに忍ばせた辞書などを使いながら会話できますので、言葉の壁は余り心配ないようです。

 特に熊野君はハンフォードに着くまで英会話の心配をしていたようですが、帰る頃には私たちとの会話にも、英語が飛び出すぐらい、片言の英語でも意思の疎通ができるということに自信を持ったことだと思います。

 ただ、正直に言うと全行程に英語に堪能な若山先生がいたことで、団体での行動中は英語を話す機会も少なかったですし、心の支え的に安心して英会話にトライできたのではないかと思います。






 アメリカ=巨大な国、という誰もが想像するイメージですが、テレビやインターネット、雑誌やガイドブックなどでその光景は知識として得ていながらも、まっすぐなフリーウェイ、広大な土地、巨大な牧場、巨大な機械など、実際にその光景を眼前に控えると改めてその大きさに感心してしまいました。

 ハンフォード市内から見た風景には、山というものが見えませんでした。巨大なビルに囲まれた都市ならいざ知らず、ごく普通の町にあって遠くにすら山陰の見えない、どこまでも続くのでは?と思わせる広大な平地です。

 ちなみにハンフォード一帯は盆地地帯であり、砂漠地帯なので山に囲まれているそうですので、その盆地の規模が巨大なのでしょう。
 川のないハンフォードでは飲雑用水全てを、その遠くにかすむ山々から、数百キロの道程を走る灌漑用水により賄っています。


 ある農家は30万頭の肉牛を飼育、ある農家は数千頭の乳牛を飼育、またある農家は車で30分走り続けても終わりの見えないナッツ畑耕作し、その隣ではトレーラー何千台分もの綿花を耕作する農家があるなど、農業規模も桁外れで、農業を経営する大根田さんも、終始圧倒され続けるほどの迫力でした。
 これらは見聞きしたことの一端に過ぎませんが、人の話を聞いて得る「知識」と実際に自分の目で見た「光景」の違いに、ただただ驚くばかりです。
 普段はポーカーフェイスの高橋君もことあるごとに「凄い・・・」と顔を紅潮させる場面が多かった事も非常に印象的です。
 この巨大な国アメリカを、ハンフォード市から感じとる事ができるというのは、姉妹都市関係にある瀬棚町にとって大きな財産であると思います。

 

 ハンフォード市姉妹都市委員会の活動は、非常に活発な活動をしているようです。今回の訪問では瀬棚商業高等学校の見学旅行と同一日程と言うこともあってか、ウェルカムパーティーやお別れパーティーなど、セレモニーは非常に盛大に開催していただきました。
 パーティーは姉妹都市委員会やホストファミリーが、料理を持ち寄ったり手作りしたりしたものを中心に振舞われ、会場のレイアウトや装飾などもみんなで手分けして準備し、迎えていただきました。
 セレモニーにいらした方は「ファミリーが瀬棚に行きたがっている」「ファミリーが日本語に興味を持っている」「以前に瀬棚に行った訪問団から話を聞いて来た」など、その理由も多種多様でした。

 ハンフォードに着いたときに「ハンフォードでは瀬棚の人達のホストファミリーになろうとする家庭が多く、競争になっている。」とアーロン(私のホストファミリー)が言った言葉に、納得するのに時間はかかりませんでした。
 瀬棚とハンフォード、文化や歴史、町の規模や習慣なども異なりますので単純に比較することはできないと思いますが、瀬棚でもハンフォードのように歓迎する気持ちを素直に表現し、誰もが簡単に参加でき、姉妹都市・国際交流の輪が広がるよう協議会が盛り上がってくれたらと思います。
 もちろん、私も含め今回のハンフォード訪問団全員が同じ気持ちであると思いますのが、今後もハンフォードで受けた歓迎の気持ちを忘れることなく、瀬棚町姉妹都市交流推進協議会のメンバーとして力を合わせて頑張っていきたいと思います。



 今回の姉妹都市成人派遣事業プログラムは、旅行日程をご覧いただければお分かりいただけると思いますが、かなり窮屈な日程であり、参加された皆さんも相当疲れたのではないかと思いますが、それでも好奇心旺盛に、ハンフォードでのプログラム、また出発から帰町まで、体調を崩すこともなく、全ての行程に意欲的に参加していただきました。そして帰国後も、電話や手紙、Eメール等で現在も継続してホストファミリーと交流してくださっていると聞き、心強く思っています。特に加我さんはホストファミリーとの交流のため、帰国後すぐに電子辞書を購入し、英会話に取り組んでいるとのことです。
 今顔をあわせてもハンフォードの話になると「楽しかった」「また行きたいね」「もっといたかった」という声が必ず聞かれ、本当に楽しく有意義な訪問だったと感じます。

 訪問団の皆さん、本当にお疲れ様でした。
 またいつか、ハンフォードに行きましょう。

 そして今回の訪問団のメンバーを快く送り出していただき、支えてくださいました、ご家族、職場、瀬棚町、瀬棚町教育委員会、姉妹都市交流推進協議会など関係者の皆様に、この場をお借りして心からお礼申し上げます。

 本当にありがとうございました。
 
 そしてお世話になったハンフォードのフクダファミリー、姉妹都市委員会の皆さんなどに心から感謝いたします。

 


ありがとうございました、そしてまた会いましょう!

Thank you very much.
We will never forget you.
Please come to Setana someday.
See you again at soon.


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