いよいよ夢が現実へと…
瀬棚町が計画を進めてきた「瀬棚町洋上風力発電事業」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成14年度「新エネルギー導入促進事業」に採択され、北電や関係機関などと協議を進め、12月27日にはNEDOから正式に補助金の交付決定を受けました。そして、1月24日に開催された臨時議会で、風力発電事業特別会計設置条例案など15年度完成に向けた関連議案が可決され、大きな夢であった日本初の洋上風力発電事業がいよいよ本格的にスタートしました。
平成15年度より建設を開始
洋上風車の本格的な設置工事については、5月中旬から開始される予定で、瀬棚港内に出力600kWの洋上風車を2基設置します。
完成は9月下旬を予定しており、その後、試験運転が行われ、平成16年4月には北電への売電が予定されています。
総事業費は6億7千800万円で、そのうちの45%はNEDOからの補助金で、残りは町の起債となります。
また、普及啓発事業としてパンフレット、PRビデオの作成、解説案内板の設置、シンポジウムの開催を予定しております。事業費は、1千500万円で、すべてNEDOの補助金で実施されます。
※600kWの風車1基で一般世帯だと約500世帯分の電力が発電できます。
組み立てが終わった風車
平面図
工事の内容
風車2基:ヴェスタス社製(デンマーク)定格出力600kW×2基2002年6月現在で3,000基以上の実績を持つ世界的ベストセラー機
送受変電設備:風車から発電された電力を北電に供給するための装置であり、また、逆に北電から電力を供給してもらうための連系設備。故障やトラブルの際の保護装置機能も兼ねる。
監視記録装置:風車を遠隔より監視・管理するパソコン。風速、出力、発電量、電圧、電流、力率、警報等の情報を記録し、日報・月報として情報をまとめる。 SVC(電力安定化装置):風車から発電された電力をより品質の高い電力とし、北電に安定して供給するための装置。
風車据付・組立2基分:海上にてタワーの下の部分から組み立て、最後に羽(ブレード)を取付ける。組立には、SEP船(自己昇降式作業台船)及びクレーンにて行う。
電気設備工事:風車から国道沿いの北電の電線までをつなぐ工事。 (海底ケーブルの敷設、海際から送受変電施設そして北電柱までの配線連系)
試運転調整・自主検査:電気事業法に定められた法定自主検査を行う。北海道経済産業局が行う安全管理審査に合格するためのデータ取得を行う。
変電設備・配電設備・系統設備:北電と電力を受給するにあたり、北電所有である既存の配電線の改造工事を行う必要があるため、それに係る工事負担。
風力発電事業の経過について〜これまでの流れ〜
平成10年 |
9月1日 |
北海道大学工学部大友詔雄氏より、瀬棚港の洋上風車と海洋深層水構想について提案 (瀬棚港マリンタウンプロジエクト検討委員会で協議) |
11月5日 |
北海道新エネルギー・ローカルエネルギー導入促進事業が補助決定し、瀬棚町内の新エネルギーについて初歩的な調査を開始 |
平成11年 |
3月25日 |
瀬棚港マリンタウンプロジェクト検討委員会で、東外防波堤での風力発電建設構想を報告 |
7月1日 |
瀬棚港東外防波堤で、NEDOの助成による洋上風況調査を開始(1年間) 8月30日 NEDOの助成により瀬棚町地域新エネルギービジョンの計画策定を開始(策定委員会委員12名・策定幹事会委員20名) |
平成12年 |
1月29日 |
自然エネルギーフォーラムインせたな「洋上風車と海洋深層水構想」を開催 |
7月14日 |
NEDOの助成により瀬棚町地域新エネルギービジョン「洋上風車建設事業化調査」委員会を開催(委員15名)
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10月13日 |
檜山地域政策セミナーが「沿岸域の風力発電」「水産振興と海洋深層水」をテーマに瀬棚町で開催 |
11月22日 |
北海道電力鰍ェ風力発電の買取凍結について通知し、15万kWの技術検証を開始
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平成13年 |
7月7日 |
瀬棚町洋上風車の環境調査を実施 |
平成14年 |
8月2日 |
瀬棚町洋上風力発電施設建設事業がNEDOの補助事業として採択 |
8月28日 |
北海道電力(株)が風力発電の受け入れ枠15万kWの技術検証についてプレス発表し、さらに10万kWの受入を発表 |
12月19日 |
北海道電力(株)が平成15年の風力発電プロジェクトの公募をプレス発表 |
12月27日 |
NEDOが瀬棚町洋上風力発電施設建設事業に対する補助金の交付を決定 |
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