「2代目・荷卸の松」が5年振りの里帰り

  • このページを印刷


 北檜山区丹羽地区にある「荷卸の松」(におろしのまつ)から枝を採取して育てた「2代目・荷卸の松」の苗木が5年振りに故郷に帰ってきました。この苗は、独立行政法人森林総合研究所林木育種センター北海道育種場で育てた後“里帰り”したもの。
 北海道記念保護樹木に指定されている「荷卸の松」は、高さ10メートル、幹の周囲が252cmのイチイで、推定樹齢1000年。明治25年3月21日、丹羽開拓の祖「丹羽五郎」が最初の開拓移民一行と共に開拓地に入ったときに、荷物を下ろし、小屋掛けして露宿したので、この樹を「荷卸の松」と命名して開拓の記念樹としました。しかし、現在では老木のため、枝が枯れ、樹勢の衰えが目立っていました。
 同センターでは、全道各地の巨樹や名木、絶滅にひんする貴重な樹木を後世に残そうと、接ぎ木で育てた苗木を各地に里帰りさせており、「荷卸の松」については平成14年につぎ木で増殖。苗木はクローンと同じく、元の木と同じ遺伝子を持つという。
 高さ50cmほどに育った苗木は5月13日、地元丹羽町内会13名の手によって玉川公園内の丹羽五郎翁胸像の横に植樹されました。大木町内会長は「丹羽五郎開拓の祖の胸像のそばで、開拓の歴史とともに大事に育てていきたい」と話していました。


▲開拓の記念樹「荷卸の松」