大成中学校が久遠神楽伝承に向け始動!!

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 大成中学校が今年度から大成区の伝統芸能のひとつ「久遠神楽」を伝承するため、6月2日から練習を開始しました。
 これまで久遠神楽は、保存会が指導し平成元年より大成高等学校が継承活動をしていましたが昨年活動を終了しました。そのことを受けた大成中学校が総合学習の時間を活用して伝承活動を行うこととなりました。
 はじめに保存会から久遠神楽についての説明などが行われ、その後、全生徒50名が太鼓、金具、笛、刀、長刀、杵の6種類の部門に分かれ、保存会の方々からそれぞれ演舞の指導を受けました。
 これから週1回の練習を行い、早ければ10月に行われる学校祭で初披露する予定です。


▲説明を受けながら実際に神楽の衣装を試着しました。

~久遠神楽って?~
 久遠神楽は明治30年頃、青森県三本木町(現在の十和田市)から、ニシン漁をするため大成に移住してきた、久保金治さんと弟の政次郎さんの2人が遠くふるさとの山野を偲び、三本木町に伝わっていた踊りを都地区の青年団に教え、伝えたのが久遠神楽の始まりといわれています。
 以来、都地区の青年団の踊りとして定着し、古くは大正天皇の即位式から始まり、戦争中や様々な事情によってしばらくの休止はありましたが、昭和41年頃から復活し、昭和45年頃まで地区の祭典や行事に欠かせない芸能として伝えられてきました。
 踊りの由来については、昭和54年に当時の保存会の会員が十和田市を訪問し、調査活動を行ったが、当時を知る人がいなく久遠神楽の原型もありませんでした。
 しかし、青森県が保存している様々な郷土芸能のなかで久遠神楽の拍子に似ていて、道具も同じ踊りの存在が確認されたのが、南部駒踊りのつけ舞である「剣舞」(通称七つ舞ともよばれている)でした。
 この踊りは、久遠神楽と同じように「笛、太鼓、長刀、杵、刀、手平金、棒」の七つ道具で、久遠神楽に棒を加えると剣舞になるので、この剣舞が久遠神楽のルーツと考えられるところでした。
 ただ、踊りそのものはやや似ていましたが同じものではなく、教えた久保金治さん兄弟が青森の芸能を混同させたとも考えられますが、一つのオリジナルとして大成の郷土芸能として完成されたものとして今日に伝えたれています。


▲各部門に分かれて練習を開始!